3Dスキャナーと3Dプリンターを使ってターキーを作成しようとしたら、おにぎりができた話
はじめに
この記事はkstmアドベントカレンダー2018 22日目の記事として書かれました。
qiita.com アドベントカレンダーと言えばクリスマスであり、クリスマスと言えば【ターキー】*1です。
ですので、食レポをしたいところなのですが、偉大な先駆者の方*2がいらっしゃいます。また、ターキーは300gで800円とお財布に優しくない価格設定ですので、それを買うのは私にとってハードルが高いです。
そこで、ここは無ければ作ればいいの精神でターキーを3Dプリンタを用いて作成します。
方針
ターキーの型を3Dスキャナーと3Dプリンターを用いて作成し、その中にご飯を詰めて形成することでお手軽なターキー作成を目指します。
材料,調理用具
ターキー | 1本 |
ターキーを固定する用の台 | 1枚 |
ターキーを固定する用の釘 | 1本 |
ターキーを固定する用のハンマー | 1挺 |
3Dスキャナー[makerBot Digitizer] | 1台 |
3Dプリンター[makerBot Replicator 2] | 1台 |
サランラップ | 適量 |
ご飯 | 適量 |
食塩 | 適量 |
手順
3Dデータを取る
ターキーを格安で作るために、ターキーを台に固定し、3Dスキャナーにセットします。
そして、3Dスキャナーを起動させるとレーザー照射を用いたスキャン*3が行われ、次のような3Dモデルが作成されます。
3Dデータがとり終わったら、ターキーを食べます。おいしかったです。
そして、残しておいた骨についても同様に3Dモデルを作成します。
3Dデータを編集する
ここからは取得した3Dデータを、OpenSCADを用いて型に加工していきます。
台座を取り除く
スキャンしたままのデータだと台座が残っていたので適当な立方体との差分を取ることで取り除きます。
difference(){
import("s3.stl",convexity=3);//ターキーの3Dデータをインポート
translate([-50, -20, -30])//台座と骨の外に出ている部分をカット
rotate([30,0,0]){
cube([100, 100, 30]);
}
translate([-50, -60, -12])
cube([120, 120, 30]);
translate([15, -3, 10])
cube([20, 20, 10]);
}
translate([5, 10, 10])
rotate([0,10,215]){
import("shone2.stl",convexity=3);//骨の3Dデータをインポート
}
型にする
縦に二等分したターキーの形に、立方体をくり抜いて型にします。以下の様に立方体とターキーのモデルの差分を取ることでくり抜き、同時に接合用にでっぱりを設けました。
difference(){
rotate([-135,0,0]){
difference(){
translate([-45,65,60])
rotate([135,0,0]){
cube([80,220,90]);
}
import("tori.stl",convexity=3);
//台座を取り除いたターキー
translate([-80,-200,-10])
cube([80,300,300]);
}
}
translate([-60,-10,-110])
cube([120,100,50]);
translate([-60,180,-120])
cube([120,100,50]);
}
rotate([0,90,0]){
translate([10,50,-14])
cylinder(h=29, r1=5.5, r2=5.5);
translate([10,85,-14])
cylinder(h=29, r1=5.5, r2=5.5);
translate([10,190,-14])
cylinder(h=29, r1=5.5, r2=5.5);
translate([60,200,-14])
cylinder(h=29, r1=5.5, r2=5.5);
translate([75,110,-14])
cylinder(h=29, r1=5.5, r2=5.5);
translate([50,5,-14])
cylinder(h=29, r1=5.5, r2=5.5);
}
もう半分も同様にくり抜いて型にします
difference(){
rotate([-135,0,0]){
difference(){
translate([-45,65,60])
rotate([135,0,0]){
cube([80,220,90]);
}
import("tori.stl",convexity=3);
//台座を取り除いたターキー
translate([0,-200,-10])
cube([80,300,300]);
}
}
translate([-60,-10,-110])
cube([120,100,50]);
translate([-60,180,-120])
cube([120,100,50]);
rotate([0,90,0]){
translate([10,50,-14])
cylinder(h=29, r1=5.5, r2=5.5);
translate([10,85,-14])
cylinder(h=29, r1=5.5, r2=5.5);
translate([10,190,-14])
cylinder(h=29, r1=5.5, r2=5.5);
translate([60,200,-14])
cylinder(h=29, r1=5.5, r2=5.5);
translate([75,110,-14])
cylinder(h=29, r1=5.5, r2=5.5);
translate([50,5,-14])
cylinder(h=29, r1=5.5, r2=5.5);
}
}
骨を加工
骨をプリントしやすい形に加工します。
3Dプリンターで出力する
加工した3Dモデルを3Dプリンターで出力します。また、今回は諸事情により、一辺当たりの大きさを50%にして出力しました。100%の大きさだと出力に丸一日以上かかるとか想定できないわ
型に詰める
いよいよ調理の時間です。 作成した型にラップを敷いて、ご飯を詰めて、骨を入れてご飯を被せて型を閉じます。
そして、型を開けます。
中身を取り出します。
完成です。
実食
形は小さめのターキーを再現できてます。味付けとして塩を適量振りかけました。
味は塩にぎりの味です。おにぎりです。
おいしいおにぎりでした。